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子どもの受け口は自然に治る?放置するリスクと早期診断の重要性

歯科全般公開日:2025/2/18

このページの監修者
私が監修しました
加藤歯科クリニック
院長加藤 文則

受け口とは?その原因とメカニズム

受け口の定義と特徴

受け口とは、下の前歯が上の前歯よりも前に出ている噛み合わせの状態を指します。正式には「反対咬合」や「下顎前突」と呼ばれることもあります。この状態は見た目に影響を与えるだけでなく、噛む機能(咀嚼機能)や発音にも支障をきたすことがあります。

乳歯が生えそろってから永久歯への生え換わりが始まる6歳頃は、顎の骨の成長や歯の配置が大きく変化する重要な時期です。この時期に受け口の兆候が見られる場合、自然に治ることもあれば、矯正治療が必要になる場合もあります。そのため、子どもの歯並びが気になる場合は、この受け口の特徴を正しく理解し状況を見守ることが大切です。

受け口になってしまう原因

受け口の主な原因には、遺伝的要因と環境的要因が挙げられます。遺伝的な要因としては、顎の発育のバランスが崩れる場合や、下顎の骨が上顎よりも成長しやすい体質などが含まれます。親や家族の中に受け口の特徴を持つ人がいる場合、子どもにも同様の状態が見られる可能性があります。

一方、環境的要因には、生活習慣や癖が関係しています。たとえば、指しゃぶりや舌で歯を押す癖、口呼吸などが挙げられます。これらの癖は、顎の成長や歯の位置に影響を与え、受け口の原因となる場合があります。また、片側だけで噛む習慣や悪い姿勢も顎の形状に影響を及ぼし、受け口を引き起こしやすくなる要因となります。

乳幼児期の歯並びには一時的なバランスの乱れが見られることがあります。乳歯や永久歯の生えかわり時期には、一見受け口のように見えても、成長とともに自然に改善される場合もあります。しかしながら、明らかに噛み合わせが悪い場合や、顎の形や成長に不均衡がある場合は、早い段階で専門医への相談を検討することが重要です。

自然に治るケースと治らないケース

子どもの歯や歯並びの乱れが自然に治るかどうかは、大きくその原因や歯並びの状態によって異なります。成長過程で起こる一時的な歯並びの乱れは、顎の成長や隣接する歯の動きにより自然に治ることがある一方で、特定の条件下では矯正治療が必要になります。

たとえば、「自然に治る歯並び」の例として、乳歯や永久歯の前歯が斜めに生えていたり、ハの字の隙間がある状態が挙げられます。これらのケースでは、成長過程で顎が広がり、歯が正しい位置に収まりやすくなるため、心配を過剰に抱える必要はありません。

 一方で、「自然に治らない歯並び」の場合、適切なタイミングでの矯正治療を検討する必要があります。例えば、顎の成長不足や遺伝による骨格性の受け口、舌癖や指しゃぶりが長期間続くことによる歯並びの乱れ、さらには顎のずれや片噛みによる噛み合わせの不一致などが含まれます。これらのケースでは、自然な成長だけでは改善が見込めないため、専門医の診断が推奨されます。

特に受け口のように顎の成長が関係する場合は、矯正のタイミングが重要です。乳幼児期に症状がみられても、成長過程で改善が期待できるか自力で判断するのは難しいため、必ず専門医に相談して正しい診断を受けることが大切です。放置すると治療が遅れ、矯正の難易度が上がる可能性もあります。

歯並びの状態が自然に治るのか治らないのかを見極めるためには、親御さんが日常的にお子さんの歯並びや生活習慣を観察し、歯科医院での定期的な診察を受けることがポイントとなります。子どもの健康な成長を支えるため、早期の判断と対応が必要です。

受け口を放置することのリスク

見た目への影響と心理面の負担

受け口を放置すると、まず見た目に大きな影響が生じます。歯並びが悪くなることで口元の印象が変わり、特に子どもの場合、学校や友人の中でのコミュニケーションにおいてネガティブな影響を受けることがあります。適切なケアを行わないと、心理的な負担や自信喪失につながる可能性があります。

噛み合わせの悪化による咀嚼障害

受け口を放置すると、噛み合わせが悪化し、咀嚼機能に問題が生じます。上下の歯が正常に接触しないため、食べ物を十分に噛み砕けず、消化器官への負担が増える可能性があります。また、噛む力の分配が適切でなくなるため、特定の歯に負担が集中して歯そのものが損傷したり、顎の不快感や痛みを引き起こすことがあります。子どもの成長において見過ごせないリスクと言えるでしょう。

顎関節症などの口腔疾患リスク増加

噛み合わせの問題が進行すると、顎関節にも影響を及ぼす可能性があります。不適切な噛み合わせは顎の関節への負担を増加させ、顎関節症を引き起こす原因となります。これにより、口を開閉する際の痛みや違和感、さらには顎の関節音や開けづらさといった問題が発生します。受け口が放置された場合、このような口腔疾患のリスクが高まります。

口内環境の悪化(虫歯や歯周病への影響)

 受け口があると十分に歯磨きがしにくくなり、歯と歯の隙間や歯茎周辺に汚れがたまりやすくなります。結果として虫歯や歯周病のリスクが増加します。特に、矯正や歯並びの調整が必要な場合、日常的な口腔ケアが重要であるにも関わらず、それが難しい状況になる可能性があります。さらに、虫歯が進行すると乳歯だけでなく後から生えてくる永久歯にも影響を及ぼすため、お子様の成長過程での重大な問題となりかねません。

放置による矯正治療の難易度上昇

受け口をそのまま放置すると、矯正治療の難易度が高くなるだけでなく、治療にかかる期間や費用も増加します。成長中の子どもであれば、顎の成長を活用しながらの矯正治療が可能ですが、そのタイミングを逃すことで、成人矯正が必要になる場合があります。成人矯正は子どもに比べて顎の成長がほとんど完了しているため、抜歯や外科的処置が必要になるケースもあります。特に受け口の場合は早期に対応することで、将来的な治療負担を軽減できるでしょう。

早期診断と治療の重要性

乳歯から永久歯への移行期の重要性

乳歯から永久歯への移行期は、お子様の歯並びや顎の成長において非常に重要な時期です。一般的に、乳歯が生えそろうのは3歳頃、永久歯への生え変わりが始まるのは6歳前後とされています。この時期は、顎の成長が進みながら歯の位置や並びが自然に調整される可能性がありますが、放置してしまうと適切な成長が妨げられるケースもあります。

乳歯の状態が永久歯の配置や顎の発育に影響を与えるため、早い段階での観察が非常に役立ちます。しかし、歯並びは個人差が大きいため、「成長とともに自然に治る」と簡単に考えずに適切な診断が必要です。特に受け口の場合は専門家に早めに相談することで将来的なリスクを減らせる可能性があります。

早期治療のメリットとその成果

早期に受け口や歯並びの治療を始めることには多くのメリットがあります。まず、顎の成長が続いている幼少期には、顎の骨をコントロールすることで比較的軽度な治療で改善が期待できるため、将来的な大がかりな矯正治療を回避することができます。また、早期治療は見た目だけではなく、咀嚼機能や発音の改善にも寄与することが多いです。

例えば、上顎および下顎のバランスを整えることで、自然な顔立ちの形成をサポートできます。さらに、早期治療を行うことで心理的な負担も軽減され、成長途中のお子様がより自信を持って生活を送れるようになります。

早期矯正しない場合にかかる治療費用は?

早期に矯正治療を始めなかった場合、後になって治療費用が大幅に増加することがあります。小児矯正は、顎の成長を利用できるため比較的コストを抑えることができますが、成長が終了した成人矯正では外科手術を伴うこともあり、大きな費用負担となることがあります。

具体的には、小児矯正の場合は数十万円程度で治療が可能な場合が多いですが、成人矯正ではこれが倍以上になることが一般的です。また、複雑な症例では治療期間が長引くため、追加の費用が発生することもあります。費用面での負担を軽減するためにも早期の小児矯正が有効です。

受け口改善のための日常ケアと注意点

正しい姿勢と口周りの筋肉トレーニング

お子様の受け口改善には、正しい姿勢を保つことがとても重要です。姿勢が悪いと顎の成長が歪み、受け口など歯並びの問題を悪化させる可能性があります。椅子に座る際には背筋を伸ばし、足が床につくようにするなど、日頃から意識する習慣を身につけましょう。また、口周りの筋肉を鍛える簡単なトレーニングも効果的です。たとえば、舌を上顎に当てる練習や、唇を閉じた状態で「パ行」の発音を繰り返すといった方法が挙げられます。これらの運動によって舌や唇の働きを整え、顎の発達をサポートすることが期待できます。

子どもの食習慣の改善

正しい食習慣も受け口や歯並び改善に大きく貢献します。特に、噛む力をしっかり育てることが重要です。硬めの野菜や果物など、咀嚼をたくさん必要とする食べ物を毎日の食事に取り入れましょう。噛む回数が増えることで顎が正しく発達し、歯並びが整いやすくなります。さらに、片側だけで噛む癖や、食事中にダラダラと食べ続ける習慣は顎や歯並びに悪影響を与えるため、食事の際にまんべんなく両側の歯で噛むことを意識するように促してあげましょう。

口癖や悪習慣の改善

指しゃぶりや唇を噛む癖、舌で歯を押す癖などは受け口の原因になりやすい行動とされています。さらに、口呼吸も歯並びを悪化させる大きな要因となります。これらの癖を早めに直すためには、まず親御様が注意深く観察し、子どもとのコミュニケーションを通じて無理のない範囲で指摘してあげることが大切です。また、これらの改善には専門家との相談や小児矯正も役立ちますので、気になる癖がある場合は歯科医に相談することを検討してみてください。

保護者としてできるサポート

お子様の歯並びや受け口の改善には、保護者のサポートが欠かせません。まず、正しい口腔ケアの習慣を身につけられるよう、お手本を示しながら一緒に歯磨きをする時間を作るとよいでしょう。さらに、成長期における顎の発達には生活習慣全般が関わるため、食事内容の見直しや活動的な生活習慣を促すことも効果的です。加えて、「まだ大丈夫だろう」と判断せず、子どもの歯や顎に異変を感じた場合は早めに歯科検診を受けるようにしましょう。専門家の意見を取り入れながら適切なアプローチを選ぶことで、お子様の歯並びを自然に整える可能性を高めることができます。

お子さんの歯並び相談
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当院では、歯並びのチェックとともに、お子様の成長を活かした予防的なトレーニング方法をご提案します。プレオルソ(マウスピース型矯正装置)を活用した予防矯正も可能ですので、まずはお気軽にご相談ください。

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加藤歯科クリニック
院長加藤 文則

加藤歯科クリニック
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加藤歯科クリニックは中村橋の一般歯科・小児歯科です。お口まわりのどんな症状・悩みも診療します。「急な痛み」や「被せ物の脱離」など、今すぐ処置が必要な患者様を予約なしで受け入れています。お困りの方はお電話ください。

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