「ダラダラ」にはちゃんと理由があります

赤ちゃんや小さな子どもによだれが多いのはよくあることですが、「なんだかうちの子は特によだれが多い気がする…」「逆に、ほとんど出ないけど大丈夫?」そんなふうに気になったことはありませんか?
実は、よだれの量にはお口や体の発達が深く関係しているんです。
よだれって、なんのために出るの?

よだれ(=唾液)は、食べものを飲み込みやすくしたり、虫歯を防いだりする大切な役割があります。しかし、小さい子どもは唾液を飲み込むタイミングがつかめなかったり、口をしっかり閉じる力が発達途中だったりするため、唾液が口の外に出やすくなってしまうのです。
特に、生後6か月〜1歳ごろは、ちょうど歯が生えはじめる時期。このころはよだれの「ピーク期」でもあるので、多めでも心配はいりません。
よだれが「多く見える」子の3つの特徴

口がポカンと開いている
唇やあごのまわりの筋肉がまだ弱いと、ポカンと口が開いてよだれがたまりやすくなります。
舌の位置が下がっている(低い位置にある)
本来、舌は上あごにくっついているのが理想です。しかし、舌がいつも下のほうにあると、唾液をうまく飲み込みにくくなってしまいます。
無意識に「ごっくん」ができていない
大人は1日に1000回以上、無意識に唾液を飲み込んでいます。しかし、飲み込む力が育ちきっていないと、その回数が少なく、よだれがたまりがちになります。
よだれが少ない子も注意が必要?

「よだれが少ない=いいこと」と思われがちですが、実は少なすぎるのも注意が必要です。
たとえば、
- 口呼吸がクセになっている
- 水分が足りていない
- 薬の影響で唾液が出にくくなっている
などがあると、お口の中が乾燥してしまいます。この状態が続くと、虫歯や歯ぐきのトラブルにつながることもあります。
よだれは「成長のサイン」

よだれの出方は、次のようなさまざまなことを映し出す“鏡”のようなものです。
- お口の筋肉の発達
- 舌や唇の使い方
- 姿勢や呼吸のしかた
- 体の成長や発達のペース
発達がゆっくりな子、集中が苦手な子によだれが多いこともあります。「よだれが多い」というサインの中に、その子なりの成長のヒントが隠れているかもしれません。
おうちでできるケアや練習

日常の中でできる、よだれ対策をご紹介します。がんばらせすぎず、「楽しく育てる」がコツです。
●ストローで飲む、吹き戻しやシャボン玉遊び
→唇や舌のトレーニングに
●鏡を見ながら「お口を閉じる」練習
→意識づけになります
●鼻呼吸の習慣づけ(鼻づまりがあれば耳鼻科相談を)
受診の目安は?

次のような場合は、小児歯科や小児科、言語聴覚士(ST)などに相談してみましょう。
- 5歳を過ぎても大量によだれが出る
- 会話や食事、歯みがきがしづらい
- 顔や洋服がよだれでいつも濡れている
- 発音や呼吸のクセも気になる
「よだれが多い/少ない」には、ちゃんと意味がある

見た目のよだれの量には、その子の成長や体のサインが隠れていることもあります。気になるときは、まず「この子なりの発達のペースかな?」とやさしく見つめてみてくださいね。不安があれば、どうぞお気軽に当院へご相談ください。

加藤歯科クリニック
について

加藤歯科クリニックは中村橋の一般歯科・小児歯科です。お口まわりのどんな症状・悩みも診療します。「急な痛み」や「被せ物の脱離」など、今すぐ処置が必要な患者様を予約なしで受け入れています。お困りの方はお電話ください。