「噛まずに飲み込めば、歯に食べ物がつかないから虫歯にならないんじゃない?」
そう思ったことはありませんか?確かに、歯に食べ物がくっつかなければ虫歯にならなさそうな気もしますよね。
でも、残念ながらこれは間違いです。噛まずに食べることで、逆にお口の健康にはマイナスになることもあるのです。
虫歯の原因は「噛む・噛まない」だけじゃない

虫歯は、「ミュータンス菌」と呼ばれる虫歯菌が、糖分をエサに酸を出すことで歯を溶かしていく病気です。つまり、糖分の摂取量・口の中に残る時間・お手入れの有無などが、虫歯のリスクに大きく関わっています。
たとえ噛まずに飲み込んでも、甘い飲み物やスナックなどが口の中を通れば、糖分はしっかりと虫歯菌に届いてしまいます。また、噛まないことで唾液の分泌が減るため、汚れを洗い流す自浄作用が働きにくくなるのも問題です。
「噛むこと」は虫歯予防にも大切

よく噛むことで、唾液がたくさん出ます。唾液には、お口の中の酸をうすめて、歯を溶かしにくくする働きがあります。また、噛むことで食べ物が小さくなり、歯に残りにくくなる効果もあります。一方で、あまり噛まずに食べると、大きなまま飲み込むことになり、歯や歯ぐきの間に詰まりやすくなるため、虫歯や歯周病のリスクも高まってしまうのです。
噛まない習慣が引き起こす別のトラブル

顎の発達不足(特に子ども)
よく噛むことは、顎の筋肉や骨の発達に欠かせません。特に成長期の子どもにとって、噛む刺激は顎の骨がしっかり育つための大切なスイッチになります。噛まずに食べる習慣が続くと、顎が十分に発達せず、歯並びやかみ合わせが悪くなる原因になることもあります。また、顎の成長不足は顔の輪郭や発音にも影響を与えることがあるため、子どものうちから「よく噛む習慣」を身につけることが大切です。
消化不良
噛むことには、食べ物を細かく砕いて飲み込みやすくし、消化しやすい状態にするという役割もあります。噛まずに食べ物を丸のみしてしまうと、胃や腸に負担がかかり、消化不良や胃もたれ、便通の乱れを引き起こすことがあります。また、唾液には消化酵素(アミラーゼ)が含まれており、噛むことで消化の準備が整えられます。しっかり噛むことで、体の消化吸収機能もスムーズに働くようになるのです。
満腹感が得られず食べ過ぎる
噛む回数が少ないと、脳が「おなかがいっぱい」と感じるまでに時間がかかってしまいます。そのため、必要以上に食べ過ぎてしまうことが多くなり、肥満や生活習慣病の原因になることもあります。
一方で、ゆっくりよく噛んで食べると、満腹中枢が働きやすくなり、適量で自然と満足できるようになります。ダイエットや健康管理の面でも、「よく噛むこと」はとても大切なポイントです。
定期検診を受けて歯の健康チェックをしましょう

「噛まずに食べれば虫歯にならない」というのは、ちょっとした都市伝説のようなもの。実際には、しっかり噛んで唾液をたっぷり出すことが、虫歯予防の基本になります。食べ方にも気を配りながら、毎日の歯みがきと歯医者の定期検診で、お口の健康を守っていきましょう。
当院では、虫歯のチェックやクリーニングを含めた定期検診を行っております。気になることがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。

加藤歯科クリニック
について

加藤歯科クリニックは中村橋の一般歯科・小児歯科です。お口まわりのどんな症状・悩みも診療します。「急な痛み」や「被せ物の脱離」など、今すぐ処置が必要な患者様を予約なしで受け入れています。お困りの方はお電話ください。