おしゃぶりは、赤ちゃんの心を落ち着かせたり、入眠を助けたりと、育児の強い味方になるアイテムです。しかしその一方で、「長く使いすぎると歯並びに悪影響があるのでは…?」という不安をお持ちの親御さんも多いのではないでしょうか。
今回は、おしゃぶりのメリットとリスク、そして歯並びへの影響について詳しく解説いたします。
おしゃぶりのメリット

おしゃぶりは「使ってはいけないもの」ではありません。おしゃぶりに対して、「歯に悪い」「やめさせるのが大変」といったマイナスイメージが先行しがちですが、実は使い方次第では多くのメリットがあります。
精神的な安定につながる
赤ちゃんは吸うことで安心感を得る性質があり、不安を和らげたり、泣き止ませたりする効果が期待できます。
指しゃぶりよりもコントロールしやすい
おしゃぶりは保護者がタイミングを管理できるため、指しゃぶりに比べて卒業がスムーズな傾向にあります。
入眠時のサポート
赤ちゃんが眠りにつく際におしゃぶりを使うことで、睡眠導入がスムーズになるケースも多く見られます。
SIDSのリスクを下げる可能性
乳幼児突然死症候群(SIDS)において、おしゃぶり使用がリスク低減につながる可能性も一部報告されています。
ただし、使いすぎには注意
「開咬(かいこう)」などの歯列不正のリスクも

おしゃぶりを長期間・長時間使用すると、歯や顎の発達に影響を及ぼす可能性があります。特に多く見られるのが、「開咬」と呼ばれる歯並びの異常です。
開咬とは?
上下の前歯が噛み合わず、口を閉じても前歯の間に隙間が空く状態を指します。
開咬が引き起こす問題
- 前歯で食べ物を噛み切りにくくなる
- サ行・タ行などの発音が不明瞭になることがある
- 口呼吸になりやすく、むし歯や歯周病のリスクが上がる
- 審美的な問題で本人がコンプレックスを抱きやすくなる
また、出っ歯(上顎前突)や下顎の発育不全につながるケースもあり、歯並びだけでなく顔貌バランスにも影響することがあります。
どのくらいの年齢までなら使ってOK?
歯並びに悪影響を与えないためには、2歳半〜3歳頃までの卒業が理想的とされています。ただし、使用頻度や時間にも個人差があるため、以下の点に気をつけるとよいでしょう:
1歳以降は、使用場面を限定する
寝かしつけの時や、不安が強い時など、限定的な使い方に移行していくのがポイントです。
2歳を目安に「卒おしゃぶり」を考える
急に取り上げるのではなく、「バイバイセレモニー」や「卒業イベント」など、子どもが納得できる形での移行が効果的です。
歯並びへの影響が気になる場合は…

おしゃぶりの使用歴が長い場合や、すでに「前歯に隙間がある」「噛み合わせが変かも?」と気になる様子が見られる場合は、早めに小児歯科でご相談ください。
3歳頃までは骨も柔らかく、軽度の開咬であれば自然に改善することもあります。ただし、癖が長期化していたり、顎の発育に偏りが見られる場合は、早期対応が必要です。
加藤歯科クリニックでは
ご相談を承っています
お子さまの成長段階に合わせた歯並びの診察・ご相談を承っていますおしゃぶりや指しゃぶりなどの癖は、育児の自然な過程の一部です。保護者の方が「やめさせないと…」と一人で悩みすぎる必要はありません。
加藤歯科クリニックでは、やさしく丁寧に、一人ひとりの発育に合わせた診察とアドバイスを行っております。気になることがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。

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について

加藤歯科クリニックは中村橋の一般歯科・小児歯科です。お口まわりのどんな症状・悩みも診療します。「急な痛み」や「被せ物の脱離」など、今すぐ処置が必要な患者様を予約なしで受け入れています。お困りの方はお電話ください。