歯ぎしりは成長のサインかもしれません
「子どもが夜寝ている間にギリギリと歯をこすり合わせている音が聞こえる」「歯が削れてしまわないか心配」そんなふうに不安を感じたことがある親御さんは多いのではないでしょうか。
子どもの歯ぎしりは、大人の歯ぎしりと違って、単なるストレスの現れではありません。
子どもの歯ぎしりは、神経や運動機能の発達に深く関係しており、とても重要な役割を果たしていることがわかってきています。
歯ぎしりは「あご」と「脳」の成長を助けている

幼児期(2~6歳)は、あごの骨や咀嚼筋(噛むための筋肉)が急速に成長する大切な時期です。このタイミングで見られる歯ぎしりは、噛み合わせを微調整したり、あごの筋肉を鍛えたりするための、自然な行動と考えられています。
さらに、近年の研究では、脳から筋肉への神経伝達の発達にも関わっていることがわかってきました。歯ぎしりを通して、脳は「どうやってあごを動かすか」「どう力を加減するか」を無意識に学習しているのです。
つまり、歯ぎしりは子どもが成長するための“トレーニング”のひとつともいえます。
子どもが歯ぎしりをする理由とは?
子どもは成長の過程で、次のような理由から歯ぎしりを行うと考えられています。
乳歯列の噛み合わせを整えるため
乳歯は生え変わる前提で形成されているため、最初は噛み合わせがあいまいなことも多いです。歯ぎしりを通して、自然なかみ合わせのポジションを探していると考えられています。
あごの成長を促すため
あごの骨や筋肉は、力をかけることで発達します。歯ぎしりによって適度な刺激が加わり、健全な成長を助けます。
神経と筋肉の連携を鍛えるため
噛む、飲み込む、喋るといった口腔機能をスムーズに行うためには、神経と筋肉が正しく連携する必要があります。そのトレーニングの一環として歯ぎしりが行われると考えられています。
放っておいていいの?注意が必要なサイン

多くのケースでは成長とともに自然に収まる子どもの歯ぎしりですが、次のような場合には注意が必要です。
- 歯のすり減りが激しく、明らかに歯の形が変わっている
- 顎関節に痛みや違和感を訴える
- 顔の左右差や、噛み合わせにズレが生じている
- 日中にも頻繁に食いしばりや歯ぎしりをしている
このような症状が見られる場合は、歯科医院での診察をおすすめします。
歯ぎしりを見守るときのポイント
子どもの歯ぎしりに過度に反応してしまうと、かえってお子さんにストレスを与えてしまうこともあります。
次のポイントを意識して、穏やかに見守ることが大切です。
- リラックスできる睡眠環境を整える
(寝る前にスマホやテレビを控える)
- しっかり噛む食事を心がける
(柔らかいものばかり食べすぎない)
- 日中にリラックスできる時間を確保する
- どうしても心配なときは、歯科医院に相談する
お子さまの歯ぎしりが心配な場合は当院にご相談ください
子どもの歯ぎしりは、あごの成長や神経の発達を助けるための自然な行動です。ほとんどの場合、成長とともに自然におさまるので、過度な心配は必要ありません。
とはいえ、歯のすり減りや噛み合わせの異常が見られるときは、早めに適切な対応を受けることが大切です。お子さまの歯ぎしりが気になる場合は、お気軽に当院へご相談ください。

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