虫歯がない=歯医者に行かなくていい」は大きな誤解です

近年はフッ素塗布や定期検診の普及により、虫歯のない子どもが増えています。しかし私たち歯科医は、「虫歯がないけど、早く診せてほしい」と思うケースが多くあるのです。なぜなら、虫歯のないお子さんほど、他の見えないリスクが見過ごされていることがあるからです。
虫歯がなくても歯科受診が必要な3つの理由

①乳歯の歯並び・噛み合わせにすでにズレが起きている
「矯正相談は永久歯に生え変わってからでいい」と思っていませんか?
実は、受け口(反対咬合)や前歯がかみ合わない(開咬)などの歯列不正は、乳歯の時期から始まっています。
放置すると、次のようなリスクが高まります。
- 顎の骨の成長に偏りが出る
- 永久歯の生えるスペースが足りなくなる
- 将来的に矯正治療が長引く/費用が高くなる
②口呼吸・舌のクセ・姿勢など「機能の問題」が進行している
次のような症状に心当たりはありませんか?
- いつも口が開いている
- 発音が聞き取りにくい
- 食べこぼしが多い/よくむせる
- 飲み込むときに口元が動く
- 姿勢が猫背、頭が前に出ている
これらは、「口腔機能発達不全症(こうくうきのうはったつふぜんしょう)」の兆候かもしれません。
これは、舌・唇・頬などのお口まわりの筋肉がうまく働かず、「噛む・飲む・話す・呼吸する」機能が十分に発達していない状態です。
③気づきにくいトラブルが成長期に進行していることがある

「虫歯はない」と思っていても、以下のような問題は見逃されがちです。
- 白濁した部分(初期むし歯)
- 歯ぐきの腫れ(萌出性歯肉炎)
- 永久歯が生えてこない(先天欠如)
- 歯の生え変わりが遅れている
こうした「見えない問題」も、小児歯科での定期チェックによって早期に発見・対処が可能です。
虫歯ゼロでも歯医者に行くべきタイミングはいつ?何を診てもらうの?

3歳前後
噛み合わせの傾向・乳歯の生え方・指しゃぶりなどの癖をチェックしてもらいましょう。
5〜6歳
永久歯の萌出状況・舌や口の動き・口呼吸や姿勢をチェックしてもらいましょう。
7〜9歳
歯列の乱れ・永久歯への生え変わり・骨格の成長バランスをチェックしてもらいましょう。
歯医者は「虫歯を治す場所」から「健康を育てる場所」へ

「虫歯がないから、歯医者に行かなくていい」というのは過去の常識。今の小児歯科は、“将来困らないために行く場所”です。口呼吸・歯列不正・姿勢の悪さ・発音の問題などは、「気づいたときには手遅れ」になることも。“何もない今”こそ最大のチャンスなのです。
当院では、虫歯予防・歯並び相談・口腔機能チェックを含めた「総合的な小児チェックアップ」を実施しています。お気軽にご相談ください。

加藤歯科クリニック
について

加藤歯科クリニックは中村橋の一般歯科・小児歯科です。お口まわりのどんな症状・悩みも診療します。「急な痛み」や「被せ物の脱離」など、今すぐ処置が必要な患者様を予約なしで受け入れています。お困りの方はお電話ください。